十勝三股 [秘境]

地図は「JSMAP2 国土基本情報20万 北見」より

十勝の上士幌町北部にある十勝三股は、広大な盆地地形の中にある秘境です。昔は林業で繁栄した街ですが、今は2世帯ほどが住むだけです。私は1990年代に良くこのエリアへ行っていました。それでは、紹介していきましょう。

1.十勝三股の歴史


出典:Wikimedia Commons

十勝三股は、旧国鉄士幌線の十勝三股駅が開業した1939年から発展しました。十勝三股からは森林鉄道が引かれて林業が盛んになり、一時は1,000人以上が住む大きな街となりました。

しかし、一時は岩間温泉のあたりまで伸びていた森林鉄道が1958年に廃止されて(※注)、基幹産業のなくなった十勝三股は人口が激減していきます。1978年には、ついに列車運行が終了して、糠平との間はバスによる代行運転に替わりました。

そして、1987年に十勝三股駅は廃駅になり、バスの運行も2003年に終了して、十勝三股は自然に還って行きました。

今の十勝三股は、石狩岳連峰やクマネシリ連峰などに囲まれ、すっかり回復した原生林に覆われた自然の豊かな場所になっています。森林鉄道の拠点だった音更川の御殿大橋付近も、石狩岳の登山口がある以外は自然に還っています。

2.実はカルデラの底にある十勝三股

写真は、石狩岳山頂付近から十勝三股を見下ろしたものです。十勝三股が山々に囲まれた盆地にあることが分かります。地図で見ると円形になっていて、これはカルデラの地形だと言うことです。

形成時期は、約50万年前とのことで、思ったよりも新しいです。一時期はカルデラ湖になっていたようで、その時期が今ならば、十勝最大の観光地になっていたことでしょう。今でも音更川にダムを作れば、大きなダム湖ができると思います。

写真では、遠くに糠平湖が映っています。糠平湖は人造湖ですが、昔は本当に自然湖として存在していたようです。今見ている風景は、ほんの歴史の中の一瞬に過ぎないということですね。

3.岩間温泉


出典:Wikimedia Commons

十勝三股から、さらに音更川本流を遡った先に、岩間温泉があります。泉温が60度弱ある硫黄泉で、野天温泉として有名です。写真にあるような浴槽まで作られて、週末は大賑わいになるような事態までに発展しました。

しかし、平成28年の台風により写真の浴槽も破壊されて、林道の復旧も見通しが立たなくなっています。再び自然の野天風呂に戻った岩間温泉は、自然のままの形が理想でしょう。

4.アクセス

糠平との連絡バスがなくなった十勝三股ですが、国道273号線に面しているという大きな利点があります。帯広と旭川を結ぶ交通路がなくなることはないので、今後も人自体は多く往来する場所であり続けるでしょう。

平成30年現在、帯広と旭川を結ぶ都市間バスが、三国峠経由で1日一往復しています。そして、十勝三股にも停車するので、交通のアクセスは良い状態です。

十勝三股には2世帯?が住んでいるそうですが、その1世帯は軽食喫茶の三股山荘さんです。十勝三股の灯が消えなかったのも、三股山荘のおかげと言えます。その三股山荘ですが、H30年8月現在、休業中です。詳しくは、三股山荘のホームページを見て欲しいですが、これからも残って欲しいです。2018/11/17日から営業再開したようです。

三股山荘
http://snowpicture2.wixsite.com/mitsumatasansou
(暗号化されていないため、URLを載せました)

5.十勝三股は東大雪の登山基地

十勝三股の周りには、ニペソツ山石狩岳西クマネシリ山などの東大雪の山々があります。そのため、十勝三股は絶好の登山基地と言えるでしょう。特に個人的なおすすめは「石狩岳」です。石狩川源流に位置する石狩岳は、北海道の中心にあるため、360度の眺めが素晴らしいです。

これら東大雪の山への地図ですが、スマートフォン用のYAMAPアプリを使うと良いでしょう。
地図だけでなく、登った時のログも取れますから一石二鳥です。

使い方は、以下の投稿を参考にしてください。

地図アプリ「YAMAPアプリ」を使ってみた。

6.十勝三股周辺について


「天狗の滝」

十勝三股と糠平の間には幌加があり、除雪ステーションがあります。付近には旧士幌線跡があり、散策できるようになっています。士幌線はアーチ橋が有名で、幌加にも残っています。

そして、国道から少し入った先に、幌加温泉があります。今は1件だけの営業ですが、混浴で人気のある温泉です。

また、幌加温泉よりも十勝三股寄りに、天狗の滝があります。音更川本流に天狗の沢?が流れ込む滝になっています。また、この沢の上流には天狗の湯があるようです(行くのは危険です。冬のヒグマの冬眠時が良いでしょう)。

天狗の滝から十勝三股へ向かって行き、十勝三股の直前に大きな駐車場があります。ここは水芭蕉が多い場所です。駐車場の周りが湿地帯になっていて、水芭蕉が多いのです。また、音更川本流林道沿いも水芭蕉が多いです(平成30年時点で不通です)。

十勝三股市街周辺はルピナスが咲くことで有名でしたが、最近は少なくなりました。


出典:Wikimedia Commons
十勝三股を過ぎて層雲峡へ向かうと、三国峠があります。ここは北海道の国道では最も高いところです。十勝三股の原生林が眼下に広がり、ニペソツ山やクマネシリ山塊が周りを取り囲む素晴らしい景色です。

ここに三国峠休憩所があります。冬は休業しますが、食事やおみやげを提供しています。日勝峠や狩勝峠などのドライブインが廃業する中、三国峠休憩所は個性で生き残っています。カレーやコーヒーがおいしいそうです。とても狭いので、連休を外して訪れると良いでしょう。

十勝三股は広大なエリアであり、登山だけでなく、釣りも楽しめます。今後はアウトドア施設ができたら良いなと思います。

※注

音更川本流に敷設された音更森林鉄道ですが、終点は今の「御殿大橋」付近だったようです。また、御殿大橋の名前の由来となった森林鉄道の事務所「音更本流御殿」ですが、今の「ユニ石狩岳登山口」の少し御殿大橋寄りにあったようです。

昔の地図では岩間温泉が御殿大橋の場所に記載されていることから、少し混乱があったのだと思います。実際に行く機会があったら、「音更本流御殿」のあった場所を探索しようと思います。確認したいことがいくつかあります。