浮島湿原

2018年8月4日

浮島湿原は、上川町と滝上町の県境にある高層湿原です。旭川紋別自動車道ができて、浮島インターチェンジが近くにあることから、アプローチが容易になりました。

以前は、浮島トンネルの脇にドライブインやキャンプ場もあって賑わったのですが、近年は静かな場所になっています。その浮島湿原について紹介しましょう。

1.浮島湿原の概要

浮島

浮島湿原は、北見山地の南端にあり、旭川から紋別へ向かう途中にある浮島トンネルの上にあります。そして浮島湿原の大部分は上川町側にあり、滝上町側にあった遊歩道も今は閉鎖になっていることから、今は上川町の観光地となっています。

浮島の名前のとおり、点在する沼や池に、草でできた浮島があり、風によって移動します。

2.遊歩道について

浮嶋湿原案内図

かつては湿原全体を巡るように木道があったのですが、近年は痛みが進み、通行可能な道が限定されるようになりました。特に、奥の南大沼方面の道は封鎖されています。

今後、木道が修復されるかは分かりません。今の内に見て置いた方が良いかもしれませんね。

3.高山植物について

浮嶋湿原の池塘

浮島湿原の特徴として、高山植物の多いことがあります。標高900mに満たない場所ですが、チングルマが咲きます。チングルマを標高1,000m以下で見られる場所は、気候や土壌の条件が揃う必要があり、浮島湿原も何かしらの条件があるのでしょう。

花期は6月下旬から8月上旬です。私が8月中旬に行った時は大部分の花が終わっていたので、7月上旬から中旬がおすすめです。

トキソウ

出典:Wikimedia Commons ※浮島湿原で写した写真ではありません

また、浮島湿原で人気の花にトキソウがあります。こちらは、7月下旬が良いようです。8月中旬には咲いていませんでした。同時期に水面にはヒツジグサの白い花が咲き、とてもきれいです。

モウセンゴケ

湿原ではお馴染みのモウセンゴケ浮島湿原にも多くあります。木道の脇に多く咲いているので、観察に適した場所と言えます。

エゾオヤマリンドウ

8月中旬以降は花が少ないですが、エゾオヤマリンドウやエゾリンドウなどは、夏の終わりから多く咲きます。紅葉と湿原との組み合わせがきれいです。

4.アクセス

「浮島湿原 地図」

旭川紋別道の浮島インターチェンジを降りて国道273号を紋別方向へ進み、浮島トンネルの手前で右の道へ入ります。後はまっすぐ進んで行くと、浮島湿原の入り口があります。駐車場スペースも十分あります。

入口にはトイレがあります。湿原入口までは、よく整備されたウッドチップが敷かれた道になっています。

沼の原よりは一般の人でも行きやすい高層湿原です。しかし、ヒグマの生息が濃い印象があるので、鈴などの対策は忘れないでください。

2021年7月ヒグマに襲われる事件が発生

浮嶋湿原地図
地図は地図アプリ「日本周遊マップ」より

2021年7月13日に、滝上町から浮島湿原へ通じる林道で、女性のハイカーが死亡しているのが見つかりました。怪我の状態から、ヒグマに襲われたと考えられます。

滝上町から浮島湿原へ向かう登山道は閉鎖されており、浮島湿原入り口へ向かう林道も閉鎖の状態のはずですが、被害に遭った人は旅行者で、上川町側の林道は使わずに、近い方の滝上町の方を使ったようです。

それにしても、登山者(ハイカー)がヒグマに襲われて死亡したのは、近年では初めてではないでしょうか。今年はヒグマの被害が多く、今までのような対策では足りないのかもしれません。クマ撃退スプレーが必須の時代になったかもしれません。