美深町 仁宇布 ~ トロッコや湿原など隠れた観光地
JSMAP2地図 (地図アプリ「さっぽろ周辺マップ ライト3」でも見ることができます)
JSMAP2地図を作成している際、美深町の仁宇布(ニウプ)に鉄道が表示されていることに気付きました。美深町の市街地から離れた仁宇布にどうして鉄道が。。と疑問を持ち調べてみました。
(JSMAP2地図に「仁宇布」の名称が入るのは、次期版になります。)
1.かつて国鉄美幸線が走っていた

かつて美深町から仁宇布の街までは、国鉄美幸線が営業していました。どうして、このような人の少ない場所に鉄道が?と思いますが、美幸線の名前の「幸」は北見枝幸から来ており、本来は美深町と北見枝幸をつなぐ路線となる予定でした。
しかしながら、営業にこぎつけたのは仁宇布までで、その先は工事中で終了※。美深市街と仁宇布間だけでは採算が採れるはずもなく、1985年9月17日に美幸線は廃止されました。皮肉にも日本一の赤字路線として有名となりました。

本来なら自然に還って跡を見つけることも困難であるはずですが、仁宇布周辺の5㎞ほどの区間が保持され、トロッコを楽しめる場所として今も維持されています。これだけの長距離をトロッコで楽しめる場所は、北海道では他にありません。
「トロッコ王国」の名前で運営されています。
※仁宇布の先ですが、実はかなり完成していたことが調べてみると分かりました。仁宇布の先の歌登や北見枝幸と繋がっていれば利用者も増えたのでしょうが、どちらにしろ廃線は免れなったので良かったのかもしれません。
2.松山湿原

道北の名峰、ピヤシリ山にはピヤシリ湿原がありますが、その北方に松山湿原があります。
日本最北の高層湿原で、北海道の道北・北見山地ピヤシリ山系に属す。標高797メートルにあり、広さは約25ヘクタール。 1975年に北海道自然環境保全地域に指定されている。また、南に位置するオホーツク総合振興局管内紋別郡雄武町のピヤシリ湿原とともに日本の重要湿地500のひとつとして選定されている
Wikipedia
これほどの山奥にありながら舗装道路を進むことができて、遊歩道入口にある駐車場も広く確保されています。さらに、トイレもあるし、近くにある「天竜沼」への木道もあり、観光地としての十分な設備が整っています。もっと広く知れ渡って利用されて欲しいですね。
しかしながら、人が少ない辺境にあるため、ヒグマへの注意を怠るわけにはいきません。複数人で熊撃退スプレーの携帯は必須でしょう。入山記帳箱の場所には「松山の鐘」があり、これを鳴らしてから入山しましょう。
松山湿原までは約900mの道のり。遊歩道脇には野花が咲いていますから、確認しながら進みましょう。湿原に到着すると、反時計回りに遊歩道を進むようになっています。湿原には3つの顕著な沼があり、それぞれ「えぞ松沼」「つつじ沼」「はいまつ沼」があります。
遊歩道脇には、ワタスゲ、モウセンゴケ、ミクリソウなどの湿原特有の野花が咲いています。のんびりと花を楽しみながら、天空散歩を楽しみましょう。
3.雨霧の滝と仁宇布の冷水にも寄ってみよう
松山湿原へ向かう道の途中で、「雨霧の滝」と「仁宇布の冷水」へ向かう道が分岐します。せっかく来たのですから、寄ってみましょう。なかなか来れない場所ですから。
(仁宇布の冷水の位置は、おおまかですので注意してください。)
4.今のうちに見ておこう

トロッコや松山湿原が整備、管理されていることは、地元の人の努力の賜物だと思います。しかしながら、少子高齢化と経済の停滞・縮小が起きる中、維持が困難となる時がやってくるかもしれません。そのためにも、少しでも利用して、存続に微力ながらの貢献が必要でしょう。
特に松山湿原は、昨今のヒグマの出没から維持困難となる日が来るかもしれません。その前に一度は見てみてはいかがでしょうか。