新得町にある二つの小山 ~ 新得山と増田山を紹介します

2019年3月27日

新得町には、町民に親しまれている3つの山があります。一つはオダッシュ山(1,098m)で、新得町民のみならず、登山愛好家にもお手軽な山として人気があります。

そして、新得山増田山という標高が500mに満たない小山が人気を博しています。両者の標高は同じくらいですが、特徴が異なりますので紹介しましょう。

1.新得山 ~ 新得町民のいこいの山

新得山

出典:Wikimedia Commons 新得駅から新得山を望む

新得駅の背後に聳える新得山は、春は桜の名所として、冬はスキー場として新得町民の憩いの山となっています。

新得山神社

新得山には新得神社があり、お正月には多くの人が初詣にやって来ます。なかなか大きな神社で、お正月以外も社務所が開いており、御朱印も書いてもらえます。境内は広く整備されているので、散策も良いでしょう。

エゾヤマザクラ

新得神社周辺はヤマザクラの名所です。ゴールデンウィークの後半が見頃で、桜祭りも行われます。

ニリンソウ

桜だけでなく春の野花もぜひ見てもらいたいです。周辺はニリンソウスミレの花がとても多いです。

スミレ
お地蔵さん

新得神社には「新得八十八箇所」の巡路があり、その道沿いに桜や春の野花がたくさん咲いています。所々にお地蔵さんがあるので、写真撮影の良いアクセントにもなっています。

ヒトリシズカ
「ヒトリシズカ」

新得山には、山頂まで通じる道路があります。そのため、車で山頂まで行けますが、歩いて登ることをおすすめします。道端には「ヒトリシズカ」や「サンカヨウ」、「エゾエンゴサク」などの野花が咲いていて楽しいです。スミレも山の上部では「ミヤマスミレ」が咲いています。

スキー場トイレ

山頂へ登る途中の中腹に、「第一展望台」があります。ここには、トイレ兼展望室があります。冬季のスキー場のための施設だと思われますが、冬以外も開放されていました。

休憩室

2階が展望室になっており、新得町市街が良く見えます。外が寒いときに休憩したい場所ですね。中は土足厳禁でした。

新得山山頂

山頂は盛り土のような広場になっていて、趣に欠けます。おそらく、山頂の周囲を道路で削ったため今の形になったのでしょう。

車が良く来るので、休日は落ち着けないかもしれません。そのような時は、山頂直前で登山道がスキー場のゲレンデを通る部分があるので、適当なところで昼食にすると良いでしょう。

山頂あずまや

山頂直下に「あずまや」があります。混んでいないときは、絶好の休憩ポイントです。

スキー場リフト

山頂直下に、リフト終点があります。新得山スキー場は、近年雪不足に悩まされることが多いです。しかし新得町市街地のすぐ横にある便利なスキー場ですから、ぜひ利用しましょう。

※2023年度は、2024年1月20日からです。クローズは3月10日となっていますが、要確認です。

2.増田山 ~ 撮り鉄に人気

増田山

増田山は、新得町市街から日高山脈へ向かって進んだ先にある小山です。山の下にJR石勝線のトンネルが通っていて、山の前後を走る気動車(ディーゼルカー)を撮影する場所として人気です。

新得町付近の日高山脈は標高が低くなっていますが、気動車が越えるには難所です。そこで、傾斜を少しでも緩くするために、蛇行しながら山を登っていきます。その登る姿が、増田山からは絶好の角度で見えます。鉄道に興味がなくても見ておきたい風景です。

山頂まで車道があります。山頂付近は急なので、慎重に運転してください。私はシカ柵の場所で車を停めて、山頂まで歩きました。山頂は平らで広いです。東側の展望が開けていて、新得市街やオダッシュ山が良く見えます。

キハ283系

こんな感じで気動車が見えます。新緑や紅葉の時期が良さそうです。私は鉄道写真にはまったく疎いので、適当に撮影してます。

キハ283系

300mmレンズで撮ってみました(フルサイズ450mm相当)。新得と新夕張間は特急しか走っていないので、時間を合わせないと待ち時間が長いです。私も数十分待たされました。

※写真の気動車は「キハ283系」で、振り子式が採用されています。以前は130km運転のために振り子式気動車が導入されましたが、数々の事故やその他の理由から110km運転になり、石勝線では2022年に姿を消しました。

3.新得町営浴場

出典:H.T.Info

新得町にはトムラウシ温泉オソウシ温泉などの天然温泉が多くありますが、市街地からは少し遠いです。しかし、市街地周辺にも良い温泉があります。

駅前にある「新得町営浴場」は、旅行者も利用しやすい温泉銭湯です。温泉と言ってもここで湧いているわけではなく、トムラウシ温泉からお湯を運んでいます。そのため、温泉としては過大な期待を持たず、銭湯気分で入浴すると良いでしょう。開く時間がPM2時だったりするので、要確認です。

市街地のはずれには「新得温泉ホテル」があり、こちらは自家源泉を使っています。泉質は、鉄分を含む冷鉱泉です。加温している温泉のため普段は風呂蓋を被せていることもあり、日帰り入浴よりは宿泊利用を主とする温泉ホテルのようです。⇒なんと、「十勝新得温泉和火」として高級温泉宿に改装されました!

また、屈足市街からも離れますが、「くったり温泉レイクイン」は、れっきとした温泉ホテルなので利用しやすいでしょう。

4.新得町の他の山々も登ってみよう

佐幌岳山頂

「佐幌岳山頂」

今回は新得町の小山を紹介しましたが、他にも新得町には登山道のある山がいくつもあります。日高山脈にはオダッシュ山佐幌岳(1,060m)、大雪山系には、トムラウシ山(2,141m)や十勝岳(2,077m)などがあり、初級から上級レベルの登山が楽しめます。沼の原方面は、林道決壊のため当分は利用できないです。

登山はしないという人も、今回紹介した新得山増田山にハイキングで歩いてみてはいかがでしょうか。ちょっとした山歩きでも、いろいな発見があると思います。また、近くには「共働学舎」があり、チーズなどの乳製品を購入できます。下山後に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

おまけ:新得駅には立ち食いそばがあります

新得駅そば屋
SONY DSC

出典:フォト蔵

新得駅の中に、立ち食いそば屋があります。そばの町新得ならではですが、今もあることが奇跡なので、ぜひ利用してください。お湯を通して出来上がりのそばですが、町内のそば屋から持ってきているのでおいしいです。