糠平湖ガイドマップ ~ 昔と今をたどる

2023年12月18日

Highten31, CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

糠平湖は、昭和31年に完成した糠平ダムによって、音更川が堰き止められて出来たダム湖です。その周囲は33kmにも及び、北海道でも有数の大きさを誇ります。

今の糠平湖は、国道が通る音更川右岸(上流から下流へ向かって)には行くことができますが、反対側の左岸へは許可を得ないと入れません。しかしながら、1990年代頃は入ることができて(営林局許可が必要だったみたいですが)、糠平湖を一周することも可能でした。そんな糠平湖の昔と今を紹介します。


1.糠平ダムへの道

Pakku, CC BY 3.0, via Wikimedia Commons 糠平大橋

上士幌からぬかびら源泉郷へ向かい、糠平発電所を過ぎると、音更川の両側が切り立った峡谷になります。今はトンネルを抜けた後、急な坂を一直線に登り糠平大橋を渡りますが、昔は谷の斜面に沿って道が造られていて、右に左に曲がる難所でした。当然、舗装もされていなくて、バスなどは息も絶え絶えで登ったものです。

そして国道は、糠平ダムの上を通っていました(大雪ダムと同じ)。糠平ダムの堤頂?は十分な幅がないため、離合(北海道では使わない言葉ですが、すれ違うことです)が場所によっては大変でした。そんな旧道は、糠平大橋が出来た後もしばらく解放されていましたが、今では一部が通れるだけになっています。

2.鉄道資料館

MaedaAkihiko, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons

かつて、ぬかびら源泉郷へは鉄道が通っていました。1987年まで士幌線糠平まで営業しており、廃線後には鉄道資料館ぬかびら源泉郷の入口付近にできました。今も、当時の線路や車掌車などが残っています。

十勝三股まで続いていた士幌線は、糠平ダムが出来たことにより糠平湖右岸に付け替えられ、旧線部分は湖の底に沈みました。そして、林業で栄えた十勝三股が衰退して士幌線糠平止まりになり、その後も国道が改良されて帯広から1時間ほどで糠平に行けるようになってしまい、廃線へと至りました。

士幌線の旧線跡が、「東大雪の道」として糠平湖のインレット付近まで続いています。その途中にはアーチ橋も複数ありますから、歩いてみてはいがかでしょうか。ただし、熊の出る場所ですから、万全の体制で行ってください。また、トンネル部分を越えて行かなければならないなど、簡単な気持ちで歩くと痛い目に遭いますから、十分な装備で行ってください。

※アーチ橋については、そのうち記事にしたいと思っています。

3.ぬかびら源泉郷

欅 (Keyaki), CC BY-SA 3.0, via Wikimedia Commons

ぬかびら源泉郷は、十勝では十勝川温泉と並ぶ温泉地です。名前に「源泉」とあるように、源泉掛け流しの宿で構成されています。温泉は、自然湧出もしくは浅いボーリングで自噴する鮮度が高いものです。これだけ贅沢な温泉地なのですが、お湯が真湯のように無色透明で香りもほぼ感じられないところが、一般受けしづらいようです。

でも、お湯の新鮮さは抜群です。特に、大正8年に発見された源泉を使う湯元館が、お湯の良さを感じられるのではないでしょうか。

湯本館のホームページは、糠平の歴史を知ることができて興味深い内容です。

4.ひがし大雪自然館

ひがし大雪自然館は、東大雪地区にあるビジターセンターです。数あるビジターセンターの中でも、ひがし大雪自然館は、生き物の紹介、展示が多い特徴があります。それには理由がありますが、詳しくは以下の記事をご覧ください。

5.三の沢

三の沢に架かるアーチ橋

ぬかびら源泉郷から三国峠方面へ進むと、三の沢に架かる橋を渡ります。その先の湖側に、駐車場があります。ここに、旧士幌線沿いに進む「森のトロッコ鉄道 エコレール」があります。

トロッコと言っても、昔の線路を利用するわけではなく(撤去されている)、新たに設置された木製のレール上を走るトロッコになっています。長さは500mで、往復1kmの鉄道旅が楽しめます。ただし、東大雪の道でもあるので、ハイカーとぶつからないように気を付けましょう。(東大雪の道を歩く人はほとんどいないので心配ないと思いますが)

6.五の沢

五の沢周辺は、国道脇が駐車スペースになっています。五の沢周辺の糠平湖では、冬のワカサギ釣りが行われます。ここのワカサギ釣りは山の中ということもあり、初心者にはちょっと厳しい面があります。もし、初心者の場合は、ひがし大雪自然ガイドセンターツアーをしていますので、そちらに参加すると良いでしょう。

コロナ以降、ワカサギ釣りツアーが休止されています。2024年はどうなるのか良く分からないので、確認をお願いします。

五の沢にもアーチ橋があります。こちらは小さい橋ですが、アーチ橋制覇を目指すのなら外せません。

7.タウシュベツ展望台

糠平湖のインレットが近い場所に、タウシュベツ橋梁が見えるタウシュベツ展望台があります。タウシュベツ橋梁へ行くには、タウシュベツ橋梁へのゲートの鍵を借りたり、ツアーに参加するなど手間がかかります。しかしながら、遠くから見ることになりますが、タウシュベツ展望台であれば、タウシュベツ橋梁を眺めることができます。

ちょっとタウシュベツ橋梁までは遠いので、双眼鏡などがあると良いでしょう。

8.タウシュベツ橋梁

タウシュベツ橋梁は、旧士幌線タウシュベツ川に架けられたアーチ橋です。数あるアーチ橋ですが、タウシュベツ橋梁は、糠平ダムが出来る前の旧線に出来た橋です。そのため、老朽化が激しく、投稿時点ではかろうじてアーチが壊れていませんが、近い将来、崩れてしまうと考えられます。

また、糠平湖の水位が上がると水没することも、タウシュベツ橋梁の劣化が進む要因となっています。

タウシュベツ橋梁に行くためには、道の駅かみしほろで林道入口の鍵を借りる必要があります。中には林道入口に車を停めて歩く人もいますが、熊の出没が多いためおすすめできません。心配な人は、ひがし大雪自然ガイドセンターツアーを利用すると良いでしょう。

冬の糠平湖は凍結しますから、五の沢から歩いてタウシュベツ橋梁へ行く方法もあります。しかしながら、湖面の氷の状態をひがし大雪自然ガイドセンターのホームページで確認し、十分な装備をもって行くようにしてください。寒さ、視界、風、氷の状態など、注意をしなければならない点が多くあります。

9.さわと温泉

ぬかびら源泉郷の対岸に、昔、熊谷温泉と呼ばれる温泉宿があったようです。その歴史は良く分かりませんが、糠平ダムができた頃には、すでに廃業したようです。しかしながら、その源泉は今も湧出しています。そして、さわと温泉と呼ばれたようです。(確かではない)

私は、2度ほど行ったことがあります。昔、糠平湖左岸林道は解放されている時があり、自転車で糠平湖1周が出来たのです。糠平ダムの横にある林道ゲートが開いている時があり、林道もダムの近くで車が通れなくなっていた他は通行可能でした。

ダムサイトから林道に入ると、しばらくは路肩が弱い急な斜面を切り通した道が続きました。この部分は車の侵入を拒んでおり(土が盛られていたりした)、自転車を使う理由になりました。自転車であれば問題なく進める状態で、当時は熊の心配をすることもありませんでした。

林道の状態も良くなってになった部分を進むと、さわと温泉がありました。温度は熱いくらいですが、湧出量が少なくて、手作りの湯舟を空にすると溜まるのに時間がかかりました。また、藻の発生も多いことから新鮮なお湯を溜めることができなくて、足湯程度で終わらせていました。

今も温泉は出ていますが、熊の出没が頻繁になった今は行かない方が良いでしょう(許可が下りないと思う)。しかしながら、冬季に凍結した湖を渡って行く人がいるようです。それでも危険ですから、辞めた方が良いでしょう。

10.糠平湖の漁業権がなくなりました

2024年から、糠平湖漁業権なくなりました。そのため、湖面上の釣りでは、お金がかからなくなります。ただし、協力金と言う形でお金が必要になります。協力金なので強制ではないようですが、釣り場の運営には費用が掛かりますから、気持ちよく支払いましょう

協力金は、1日800円、年間7,000円です。(2024年)

なお、ヤマメ(サクラマス)に関してですが、湖に注ぐ川では禁漁が継続されます。また、湖面においては、5~6月が禁漁になります。注意してください。

11.ひがし大雪にはまだまだ知られていない何かがある

東大雪は、広大な面積がある割には観光地化されておらず、知られていない秘境が眠っていると考えられます。例えば、糠平川の最上流にはカール上の地形があり、その底には池があります。これは噴火口に見えるのですが、話題になったこともなく、真相は分かりません。

さらに、活火山の丸山は謎が多いですし、周囲には石灰華噴泉塔野湯などもあります。これらが眠ったままの東大雪は、まだまだ資源があると思います。やみくもに開発されるのは困りますが、これらにより活性化が促されれば良いなと思っています。