エゾサンショウウオの揺り籠

いつも行く森に、数十センチ四方の小さな水たまりがあります。写真のように、ほんと小さな水たまりなのですが、この森の中で重要な役割を持っています。

この水たまりは、1年中水が枯れることがありません。ちょうど湧き水が出る場所にあり、しかも湧く水の量は少量で、大雨や雪解けでも一定の水量を保って安定しています。近くにはもっと大きな湧水地や砂防ダムの溜まりもありますが、大雨で流されたり枯れたりと安定しない中、この水たまりは冬も凍ることなく安定した水を保っています。

おかげで、こんな小さな水たまりなのに、生き物の恰好の住処になっています。特にエゾサンショウウオが毎年、たくさんの卵を産みます。小さな水たまりですから生存競争も過酷ですが、エゾサンショウウオを育てる揺り籠として役立っています。

この水たまりですが、国有林の中にあり、木材の伐採があると簡単に潰される運命にあります。今まで奇跡的にすり抜けてきていますが、これから大丈夫という保証はありません。いつまでも残って欲しいと願わずにいられません。