X68000 Z登場 ~ 中身はどうなのか?

2022年12月7日

21世紀も20年以上経過した今、なんとX68000の新製品が登場しました。

株式会社瑞起さんが、往年の名機X68000を復活させました。その製品は、X68000 Zです。どんな製品なのでしょう。

1.エミュレーションにより実現

出典:Wikimedia Commons 往年の名機X68000シリーズ

X68000 ZCPUMC68000を採用しているわけではなく、CPUARMを使用し、LinuxベースのOS上でエミュレーターを動かすことによってX68000を実現するようです。当然と言えば当然ですが、MC68000を使った完全互換?の新機種ではないということです。

しかし、外見はX68000を忠実に再現しています。サイズはダウンサイジングされていますが、その方が使いやすいです。また、キーボードマウスまでX68000純正に似せて作られています。これはうれしいですね。

分かっているスペックは

  • CPUは、ARMベースの「瑞起 Z7213」
  • メモリ DDR3 512MByte
  • ストレージ NAND 512MByte

メモリストレージが今となっては少ないので、Ubuntuなどを動作させることは難しそうです。でも、ストレージに関してはSDカードスロットが用意されるので、補填できそうです。その他、USBポートもあるので、ブートスタートなどができれば、使用範囲も広がりそうです。(※あくまでも推測です)

2.まだ完成していない(投稿時)

X68000 Zは、まだ完成した製品ではありません。完成まではPHASE0/1/2などのステップがあり、今は入り口のHACKER’S EDITIONへ向けての作業が行われています。

まだ完成していなくても、テスト版をクラウドファンディングで購入できます。それぞれが製品の完成に向けて参加できますので、ぜひ参加してみてください。

3.既にX68000のエミュレーターはいくつもあるが

X68000に関して、IPLROMOSなどがSHARPさんから無償公開されており、それを使ったX68000エミュレーターがいくつも存在します。私もRaspberry Pi上のエミュレーター「RetroPie」で、X68000について特集しました。

もちろん、Windows上でも難なくX68000エミュレーターを動作させることができます。そのような中で改めてX68000 Zを製品として出す必要はあるのでしょうか。

私も疑問を感じますが、WindowsRaspberry Piだとキーボードの操作に違和感が残ります。キーボードの配置が違うため、割り当てをしても思った操作ができないことがあります。それは、SX-Windowを使うと顕著で、とてもWindowsRaspberry Pi上SX-Windowを使う気にはなれません。

そこでX68000 Zであれば、従来のX68000と違和感なく使用することができるのではないでしょうか。

4.私がX68000を買わなかった訳

私はSHARP X1ユーザーで、X68000もぜひ買いたいパソコンでした。しかし、ちょうど社会人になったばかりだったので、貯金してX68000を買おうと準備していました。(他のものを買ってばかりで、貯金が貯まらなかった)

貯金が貯まった頃、X68030が発売されることになりました。しかし期待したX68030は、CPUMC68030になったくらいでマイナーバージョンアップに留まり、改めて購入する気が失せてしまいました。

そして、ちょうどWindows 3.x系が出てきて、そのプログラムをぜひ作りたいということでPC-98を買ってしまいました。でも、X68000を買わなかったことで、ずっと後悔の気持ちを引きずってきました。やっぱりPC-98IBM PC互換機にわくわくさせるものはなかったです。

5.今後の展開に期待

X68000 Zは、常に進化していくようです。特に完成品?となるPHASE 2や、X68030をさらにバージョンアップした正当な後継機が出てくるかもしれません。

私もいずれ購入して参加したいと思っています。その参加までプロジェクトが順調に進んで行って欲しいです。