データベースとPHPのアップグレード ~ さくらインターネット

WordPressのダッシュボードを見ると、PHPのバージョン警告が出ていました。確かに古いPHPのままでWordPressを運用していました。そして、データーベースのMySQLも古いままです。これは、最新に対応しないと痛い目に遭いそうです。

私は「さくらインターネット」のレンタルサーバーを利用しているので、その例でご紹介します。

1.現在のバージョンとアップグレードするバージョン

PHPとMySQLの現在のバージョンとアップグレードするバージョンをまとめます。

PHP

現在使用しているPHPのバージョンは7.4.33であり、PHPの最新バージョンは8.3です。PHPは、8.1でさえ2025年の末にサポート終了になります。WordPressの推奨は8.3なので、8.3へアップグレードします。

MySQL

現在使用しているMySQLのバージョンは5.7です。MySQLの次のバージョンは8.0とジャンプアップするので、慎重さが求められそうです。

2.SnapUPでテストしてみる

いきなりアップグレード対応すると、最悪、サイトの画面が真っ白になってプログラムが飛んでしまいます。そうならないためにも、テスト環境であらかじめ動作確認しなければなりません。さくらインターネットには、SnapUPが用意されており、ステージングサーバー(テストサーバー)上でサイトを動作させることができます。

しかしながら、SnapUPのPHPバージョンは8.1までしか用意されていません。多分、大丈夫でしょうけれど、最新の8.3が用意されていないことは残念です。

9月29日にバックアップされたkunimiyasoft公式の環境をステージングサーバーにセットします。

ステージングサーバーへのセットは、多少の時間がかかります。

ステージングサーバーへのセットが完了しました。リンクが表示されてますので、クリックしてサイトを起動します。

一通り動作させてみましたが、不具合はないようです。それでは、本番環境をアップグレードしてみましょう。

3.MySQLのアップグレード予約をする

データベースのページ内にある「アップグレード設定」をクリックします。

MySQLのバージョンを指定する場所がありません。現在のバージョンの上が8.0であるせいかもしれませんが、無条件に8.0となるようです。

アップグレードには予約が必要で、対応できる時間を指定しなければなりません。トラブルが発生してもリカバリができる時間を考慮して指定します。

アップグレードが完了すると、元のデータベースは残ったままで、別に新しくデータベースが作成されたことが分かります。

4.PHPをアップグレードする

PHPのアップグレードは、「設定」の項目で、すぐに反映できるようです。WordPressはバージョン8.3が推奨ですから、「PHP8.3(推奨)」を選択します。

これを見ると、ダウングレードも簡単にできるようです。そのため、トラブル発生時は、すぐに戻してしまえば復旧できますね。

5.wp-config.phpの修正

今までの操作でアップグレードが完了したと考えるのは早とちりです。アップグレードによりホスト名が変わっていますから、新しい名前に変更しなければなりません。

wp-config.phpをアップロードしたら、いよいよ動作確認です。特にWordPressのプラグインの動作をチェックして、問題のないことを確かめましょう。

6.サーバー環境の保守を怠らないようにしよう

以前、PHPかMySQLのどちらかは忘れてしまいましたが、サポートの終了の通知を見逃してしまい、サイトの表示が真っ白になってしまったことがありました。今回もかなりアップグレードを怠っていて、問題が起きても不思議がない状態でした。少なくともサポート切れのバージョンは使わないように心掛けないといけませんね。

なお、今回はSnapUPがあったため、バックアップ処理を特に行いませんでした。しかしながら、普段バックアップを取っていない方は、phpMyAdminやFTPクライアント等を使ってサイト環境をバックアップしてからアップグレードしてください。