TP4056とMT3608 ~ 電子工作用電源の定番

以前、Raspberry Pi Zeroの電源作成についての記事を投稿しましたが、電子工作の定番として、リチウム電池充電コントローラーの「TP4056」と、昇圧回路「MT3608」を利用して電源を作成するやり方がありました。
TP4056とMT3608は格安の値段で売られており、電子工作にはうってつけの電子部品です。
そこで、簡単なRaspberry Pi Zeroの電源を作成してみます。
1.TP4056とMT3608について
TP4056
TP4056は、入力に5VのUSB電源を用いて、3.7Vの18650リチウムイオン電池などの充電を行う電子部品です。主に、1Ah以上の容量を持つ18650リチウムイオン電池の充電に使います。リチウムイオン電池で1A以上となると、単三電池サイズの18650電池の充電が主な用途となります。
1Ah以下のリチウムイオン電池の充電に使いたいですが、基板上の抵抗を交換する必要があり、半田付けの名手でないと出来ないでしょう。私は老眼で絶対にできません。リチウムポリマー電池の充電に使いたいのですけれどね。また、今回購入した製品はMicro USBが使われておりますが、今ならUSB-Cの製品をおすすめします。
MT3608
MT3608は、入力(2V-24V)から出力(5V-28V)まで昇圧する電子部品です。後で述べますが、使用にはちょっと注意が必要です。
今回は、3.7Vを5Vに昇圧します。
18650リチウムイオン電池
今回は、単三電池より若干大きい18650リチウムイオン電池を使用します。一般に売っている電気製品の中に入っている18650の値段はとても高いですが、今回は2本1,000円以内で売っている製品を使用しました。どう違うのかは分かりません。
2.組み立ててみる

上図のように組み立ててみました。TP4056に18650リチウムバッテリーを接続し、出力の線を接続します。そして、出力の線をMT3608の入力に接続します。MT3608の出力は、利用する電子工作の入力に接続しますが、今は何も接続していない状態です。
3.動作させてみる
USBケーブルをTP4056に接続して充電を開始します。充電中は赤色LEDが点灯し、充電が完了すると青色LEDが点灯します。

充電が完了した後、MT3608の出力電圧を測ってみました。すると、15Vもありました。最初、レンジを10Vにしていたので、振り切ってしまいました。

出力電圧は、可変抵抗器?(ポテンショメータ)のねじを回す必要があります。私の場合、右に回すと電圧が下がりました。そして、普通の感覚だと1周もすれば目的電圧となりますが、目標の5Vにするためには10周以上回す必要がありました。

私の場合は右に回して電圧を下げましたが、製品によっては電圧が上がる場合もあるようです。どうもはっきりしないので、テスターで電圧を測定しながらポテンショメータを回すことをおすすめします。
さらに、MT3608には不良品の報告があり、回路を短絡する必要がある個体があるようですが、私の購入した製品は大丈夫でした。このように、MT3608は格安ではありますが、使用の際は十分な注意が必要となりそうです。他サイト様の記事を読むと、今回のような18650バッテリーを5Vに昇圧するような用途に限った方が良さそうです。高い電圧になるほど、品質は良くないようです。
4.パッケージ化する予定

最終的にはパッケージ化しますが、今回はテストなので空中配線で接続しています。それでも、出力をピンヘッダにして電子工作のテストに便利なように改良したことと、バッテリーにスイッチを付けました。最初の状態では短絡が起きて発火事故も起きかねないので、普段はOFFにしておきます。
Raspberry Pi Zeroに接続して起動してみましたが、問題なく起動しました。そして、1時間ほどGPSのデータ受信をしてみましたが、問題ありませんでした。しかしながら、出力電圧の品質が良くなくてシャットダウンするデバイスも報告されているので、様子を見たいと思います。
今後はパッケージ化しますが、その際は3Dプリンターで作成する予定です。と言っても、まだ投稿時点では3Dプリンターが来ていないので、後ほど追記をしたいと思います。

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