札内川園地 ～ 日高山脈十勝側のアウトドアベース

2021年7月11日2023年8月2日

中札内村市街から札内川の上流へ向かい、谷が迫ってくる場所に札内川園地があります。札内川園地は、ピョウタンの滝下流に作られた、中札内村の代表的なアウトドアスポットです。

札内川園地内には、キャンプ場や管理施設、スポーツ施設などが揃っています。それでは紹介して行きましょう。

1.ピョウタンの滝

札内川園地に入るには札内川に架かる橋を渡りますが、その上流にピョウタンの滝があります。落差10mで幅が広く、水量も多くて迫力がありますが、所々にコンクリートの壁が見えます。実は、発電用に作られたダムが災害によって土砂で埋まり、使えなくなって放置されたのがピョウタンの滝です。

しかしながら、意外と自然にマッチしています。岩盤を利用して作ったダムのため、あまり違和感を感じません。上流に札内川ダムができても豊かな水量を保っており、今も観光の目玉となっています。

2.日高山脈山岳センター

札内川園地の中核施設として、日高山脈山岳センターがあります。ここで、キャンプ場の受付が行われています。また、館内では日高山脈の案内や、軽食の提供も行われています(毎日ではないので要確認)。

以前は登山者の宿泊もできました。食堂の営業がなくなるなど、縮小の道を辿るのかと思っていましたが、ここに来て盛り返してきました。今後の展開に期待です。

3.札内川園地キャンプ場

札内川園地キャンプ場は、札内川と支流のせせらぎが心地よい、快適なキャンプ場です。2020年まではフリーサイトが無料だったので、大人気のキャンプ場でした。2021年から有料になりましたが、環境の快適さから、利用も好調のようです。

バンガローやトレーラーハウスもあり、普段キャンプをしない人も楽しめます。春の新緑、秋の紅葉が美しく、環境が素晴らしいキャンプ場です。

受付は、日高山脈山岳センターで行います。売店でキャンプ用品や食材も売っています。また、キャンプのインストラクターやアウトドアガイドの人もいるので、スキルアップに利用してみてはいかがでしょうか。

4.中部日高の登山基地

札内川上流域は、日高山脈の中央部に該当し、カムイエクウチカウシ山(1,979m)を筆頭とする1,900m以上の高山がひしめく地帯です。これら山には正式な登山道がほぼなく、登山者は沢を詰めて山頂を目指します。そのため、一般登山者が登れる山は、コイカクシュサツナイ岳(1,721m)くらいしかありません(この山も結構たいへん)。

また、日帰りが難しい山が多いので、準備も念入りにしなければなりません。そんな登山の基地として、日高山脈山岳センターが重要な役割を持っています。登山の最新情報を仕入れるだけでなく、登山の前日に宿泊したり(宿泊はキャンプ場で)、下山後にシャワーを使うなど、有効に活用すると良いでしょう。

5.札内川の釣り

札内川園地周辺を流れる札内川では釣りができます。川にはニジマスやヤマメが生息していて、釣りが楽しめます。7月のはじめにヤマメが放流されるので、それを目当てにするのも良いでしょう。

札内川は水量が多いので、水難事故にはくれぐれも注意してください。

また、釣り上級者には、札内川園地の下流や、札内川ダムの上流もねらい目です。しかしながら、札内川ダムの上流にもニジマスが多く放流され、在来種のオショロコマの生息域がどんどん狭められています。ニジマスのゲリラ放流はやめてもらいたいのと、オショロコマが釣れても、そっとリリースしてください。

6.日高山脈の自然を楽しもう！

日高山脈が国立公園となりそうです。そうなると、札内川園地の重要性は、ますます高まるでしょう。すでに今年からキャンプ場が有料化されるなど、観光地としての整備が進んでいます。これから、さらにグランピングの方向に進むような気がします。

しかし、日高山脈の本質は、手が加えられていない自然です。札内川も、中断されましたが日高縦断道路の建設により、七ノ沢出合い付近まで自然が壊されました。日高山脈の楽しみ方は、従来の観光のやり方ではなく、自然に優しい体験型の観光が望ましいです。

そういう自然への配慮をしながら、札内川園地を楽しんでみてはいかがでしょうか。